2019年(R1)8月1日(木)2名

高尾山口~琵琶滝~3号路~高尾山~4号路~蛇滝~蛇滝口のGPS軌跡

高尾山口~琵琶滝~3号路~高尾山~4号路~蛇滝~蛇滝口のGPS軌跡

高尾山には6つの自然研究路をはじめ、3つの登山コースがある。今日は真夏の暑いさなかではあるが、これらのコースを確認しながら歩いてみる。今日歩くコースは下記コースの入口や一部なども含めて全て通過できるのだ。(カッコ内は今回通過個所
1号路:薬王院の表参道から高尾山頂に至るコース 3.8Km(浄心門から霞台まで
2号路:猿園を中心に高尾山の中腹を一周するループコース 900m(南側を歩く
3号路:1号路の浄心門から左に入り南斜面を高尾山頂に至るコース 2.4km(ほとんど全て歩く
4号路:1号路の浄心門を右に入り北斜面を吊橋を経て高尾山頂に至るコース 1.5km(全区間
5号路:高尾山頂のすぐ下を一周するループコース 900m(高尾山頂付近で接続する
6号路(琵琶滝コース):前ノ沢沿いを歩き高尾山頂に至るコース 3.3km(清滝駅から琵琶滝まで
稲荷山コース:高尾山の南側の尾根から高尾山頂に至るコース 3.1km(清滝駅直ぐの入口を見る
蛇滝コース:1号路の霞台園地から「蛇滝水行道場」を経て蛇滝口を結ぶコース 1.5km(全区間
いろはの森コース:1号路の山頂近くから日影沢に至るコース 1.5km(4号路との交差部分

ウバユリ(姥百合)

ウバユリ(姥百合)

高尾山口駅からケーブルカー清滝駅へ向かい駅前広場で休憩する。6号路は清滝駅が起点である。駅の左側の舗装道を進むと直ぐ左側に「稲荷山コース」の入口がある。そのまま舗装道を歩いていくと、水路や土手のそばにすらりとしたウバユリが何本も咲き始めている。

ウバユリ(姥百合)ユリ科の多年草 花期7~8月 草丈70~100cm 花の長さ10~12cm。
山地の森林に多く自生し、ユリに似た花をつけるが、葉はスペード状で通常の百合の葉と大きく異なる。ウバユリのユリ根(球根)は食用になり、ユリ根特有の甘味や風味が強くやや苦みがある。
名前の由来は花が咲くころには葉が枯れてしまうので「葉(歯)が無い」から「歯無し」→「老女」→「姥」という語呂合わせで付けられた。こじつけとも思える名前の由来だが、葉がないのでスッキリした印象を受ける。

ヤブミョウガ(藪茗荷)

ヤブミョウガ(藪茗荷)

そして群生したヤブミョウガである。これはよく見かける花だ。最初はミョウガだと思っていたが連れがミョウガではないという。そこで調べて見たらヤブミョウガだった。目立たないがなかなか風情のある草である。妙音橋からは舗装道を離れて左側の山道を登って行く。

ヤブミョウガ(藪茗荷)ツユクサ科の多年草 花期7~9月 草丈50~100cm 花径6~7㎜
ショウガ科のミョウガとは全く違う種類の草。6~7枚の葉が根元で輪状に付く。
名前の由来は湿気の多い土地や薮などに咲き、ミョウガに似た長楕円形の葉を付けることから。
秋に熟す黒藍色の果実は美しく、観賞用として庭に植栽されることもある。

琵琶滝 ここから2号路に接続できる

琵琶滝 ここから2号路に接続できる

10数分歩くと前方に琵琶滝のお堂が見えてきた。沢にかかる橋の下をのぞいてみたらイワタバコの葉が幾つかみえた。しかし橋の下なので到底近づくことは出来ない。ここで6号路から離れて2号路に向かう登りとなる。まだ8時台なのだが30℃近い暑さなので登り始めると汗が噴き出してくる。そこで十数メートル登るごとに何分か休む。琵琶滝の標高が約280m、2号路は標高が約460mなのでその差は180mである。休み休み登ったので2号路に到着するまでに50分ほどかかった。

琵琶滝から2号路への登り

琵琶滝から2号路への登り

琵琶滝から2号路への登りは樹林帯で日差しもないが、風もほとんどなく暑さとの戦いだ。登りきると標識が出てきて2号路に着いたことがわかる。2号路からは山腹を巻くトラーバース道なのでほとんど平坦に近い。歩いていくと直ぐにまた標識が出てきて3号路に着いたことが分かる。ここは浄心門の真下辺りになる。そしてこの3号路に特徴的なのはキジョラン(鬼女蘭)が多いことだ。キジョランの葉は大きくて艶があり他の木に絡まり蔓状に上に伸びている。それなのでキジョランと直ぐ分かる。あたり一面がキジョランの葉に覆われているところもあった。

キジョランの花(つぼみ)と葉

キジョランの花(つぼみ)と葉

キジョラン(鬼女蘭) ガガイモ科(近年ではキョウチクトウ科に分類)の木質つる性多年生植物で有毒 アサギマダラの食草としても知られる つるの長さ数m以上 花期8~10月 花径約4㎜ 果実は長さ10~15cm ハート形の葉は光沢があり20cmもの大きさになる。
キジョランはラン(蘭)と付くがラン科ではない。なぜランと付くかは定かではない。 そこでランとの共通点があるかを調べて見た。葉も花も実もキジョランとランでは全く違う。ただ一つ共通点は「雄しべと雌しべが合着してずい柱を作る」のが共通点なのである。それでキジョランの花をよくよく見ると雄しべや雌しべが無いのである。その点だけランと似ているといえる。キジョランはアサギマダラの食草とされ夏から初冬にかけて葉に卵が産み付けられる。 花期は8月~10月で白い散形の花序をつける。 果実は小さいまま年を越し翌年の春から夏にかけて大きくなる。楕円形の長さ10cm以上の大きさで、つるからぶら下がる。 冬に入ると実が弾けて中から白い綿毛の種が多く飛び出す。 その綿毛の種が特徴的で「白髪を振り乱した鬼女」のように見えるのでこの名がある。すなわち種が鬼女の顔に綿毛が白髪を連想させるのだ。

キジョラン(鬼女蘭)の花

キジョラン(鬼女蘭)の花

キジョランの花は小さくて目立たない。だから見ようとして見ないとまず目に入らない。そしてまだ時期が早いのかほとんどがつぼみだ。その中で一つだけ小さな花が咲いているのがあった。この花を見るのが今日歩く目的の一つだった。

タマアジサイ(玉紫陽花)のつぼみ

タマアジサイ(玉紫陽花)のつぼみ

タマアジサイの独特のつぼみが面白い。3号路は沢沿いを歩くところも多いのでこの木がやたら目についた。3号路が終わると薬王院からくる裏道(富士道)と合流し5号路に接続して山頂に至る。

タマアジサイ(玉紫陽花)ユキノシタ科落葉低木 高さ1.5~2m 花期8~9月 葉は10~20cmの楕円形。山地の湿った沢沿いなどに多く咲く。花期になると固そうなつぼみがほころび大きな花になって行く。これがパッと開く打ち上げ花火を連想させる。次々とつぼみが開き、花が咲くので花期が長いのだ。

タマアジサイ(玉紫陽花)の花

タマアジサイ(玉紫陽花)の花

3号路のタマアジサイはつぼみばかりで咲いていなかった。高尾山頂にもタマアジサイがありここは幾つか咲き始めていた。あのつぼみがこのように花開くのかと思うと不思議な気がした。
清滝駅から高尾山頂までのコース経過:清滝駅→6号路→稲荷山コース入口前通過→琵琶滝→6号路と2号路の接続道→2号路→3号路→富士道→5号路→高尾山頂。

人影もまばらな高尾山山頂

人影もまばらな高尾山山頂

暑さで休み休み歩いてきたので予定より1時間以上も遅れて高尾山頂に到着した。それでもまだ10時50分なのだ。流石に人影はまばらだったが休憩している間に到着する人が増えてきた。山頂は風もあり心地よかったが、休憩もそこそこにして4号路に向った。山頂の公衆トイレの直ぐ脇に5号路と4号路の入口がある。5号路は緩やかな道だが、4号路は階段を降りて行くのだ。

4号路の吊橋(みやま橋)を渡る

4号路の吊橋(みやま橋)を渡る

高尾山は自然林が多く残っているため標高599mながらも植物の種類が非常に多く、約1600種類の分布が報告されているという。1号路の尾根を挟んで南斜面(3号路側)にはカシ類などを主体とした常緑の暖帯林が分布しており、北側斜面( 4号路側)にはイヌブナなどの落葉樹を主体とした温帯林が分布しているのだ。そして3号路にはあれほど沢山あったキジョランが4号路ではほとんど見られない。やはり南側と北側では分布する植物の種類も異なるようだ。4号路は階段などがあり緩やかに下って行く。途中で「いろはの森コース」の道標が出てきた。左に下って行くと「いろはの森」から日影沢へ至るコースだ。ここを直進し少しいくと道標があり直角に右折するようになる。山腹沿いをしばらく歩くと前方に吊橋が見えてきた。吊橋を渡るとたもとにはタマアジサイの群落があり満開となっていた。

ヤマホトトギス(山杜鵑)

ヤマホトトギス(山杜鵑)

吊橋からは数か所に倒木があり道が崩壊していたが復旧工事がしてあり問題なく歩けた。ヤマホトトギスが咲く山道をしばらく歩くと1号路の浄心門前に到着した。

ヤマホトトギス(山杜鵑)ユリ科の多年草 草丈40~70cm 花期7~9月 花径3~4cm
山地に生えるホトトギスの仲間で茎の先端に花茎が枝分かれして伸び、花弁が反り返った花が咲く。
名前の由来は、山に咲くホトトギスで花には細かい斑点模様があり、これを鳥のホトトギスの胸の斑点に見立てた。

浄心門

浄心門(上の方に霊氣満山の扁額がかかる)

浄心門前のベンチでしばらく休憩する。ここは3号路・4号路の起点でもある。様々な人が通りかかるが、ほとんどの人は1号路である浄心門の中へ入って行く。浄心門は薬王院の入口であり、ここからが薬王院の境内となる。扁額には「霊氣満山(霊気に満ちた山)」と書かれてある。

ヤマアジサイ(山紫陽花)

ヤマアジサイ(山紫陽花)

1号路をケーブル駅へ向かう。途中にタコ杉が出てくる。道脇に色とりどりのアジサイを見ながら歩く。平日だからか霞台展望台そばの十一丁目茶屋は閉まっていた。この十一丁目茶屋の道を挟んだ向かいの標識から下ると途中に2号路への分岐がある。2号路とは逆の蛇滝の標識に従い下って行く。

ヤマアジサイ(山紫陽花)ユキノシタ科の落葉低木 樹高1~1.5m 花期6~8月
別名サワアジサイともいう。沢沿いや林内の湿ったところに生える。色の変化が多く紫・淡紅・水色・白などがある。

蛇滝へ下る途中の緑濃い青葉

蛇滝へ下る途中の緑濃い青葉

蛇滝コースは北側斜面の静かなコースである。階段や坂道を下って行くと急に目の前が開けた。目の前に緑濃い青葉が広がっている。しばらく下って行くとようやく、薬王院の水行道場である「蛇滝水行道場」が見えてきた。行ノ沢という沢沿いに蛇滝があり道場がある。行ノ沢の上流に吊橋のみやま橋がある。道場内の階段を降りて行くと苔に覆われた壁にイワタバコがびっしり貼りついて咲いている。

蛇滝水行道場の階段脇に咲くイワタバコ(岩煙草)

蛇滝水行道場の階段脇に咲くイワタバコ(岩煙草)

沢沿いの岩壁にもイワタバコが咲いていたが、足場が悪いので行くことは出来ない。沢沿いの道を下って探してみたが、イワタバコは道場周辺にしか確認できなかった。暑いさなかの高尾山に登った目的の一つはこのイワタバコだった。

イワタバコ(岩煙草)イワタバコ科の多年草 草丈10~20cm 花期6月~8月 花の大きさ1.5cm
渓流の滝の水の滴り落ちる濡れた岩場や、沢や谷間のしっとり濡れた岩場などに群生する。名前の由来は大きな葉がタバコの葉に似ているため。不思議なことに花もタバコの花によく似ている。

蛇滝水行道場の岩壁に咲くイワタバコ

蛇滝水行道場の岩壁に咲くイワタバコ

舗装道を沢沿いに緩やかに下って行く。やがて圏央道の高架下に出た。小仏川沿いを右に歩くと、直ぐに左に立派な階段が出てくる。ここを上ると「高尾梅の郷まちの広場」であった。ここは圏央道の高架下にありベンチが5~6個所とトイレが使用できた。広場の前に旧甲州街道のバス通りがあり、右へ100mほど行くと「蛇滝口」バス停がある。平日のこの時間「高尾駅北口」行きのバスは1時間に1本しかないので広場で30分ほど休憩した。バス停でバス待ちをしていた老女性と立ち話になる。この女性はどうやらしょっちゅう高尾山に来ているらしい。話の中で7月20日頃はイワタバコがまだ咲いていなかったという。自分はその頃予定していたので今日に延期してよかったと思った。定刻からほどなく到着したバスに乘り高尾駅に向かった。
高尾山頂から蛇滝口バス停までのコース経過:高尾山頂→4号路→いろはの森コース交差→吊橋→浄心門→1号路→霞台→蛇滝コース→蛇滝口バス停。

高尾山口~琵琶滝~3号路~高尾山~4号路~蛇滝~蛇滝口のコース断面図

高尾山口~琵琶滝~3号路~高尾山~4号路~蛇滝~蛇滝口のコース断面図

コースタイム 歩行3時間30分(+休憩2時間10分)距離9.5km 累積の登り1,019m 下り-1,007m
京王線高尾山口駅7:56→清滝駅(休憩10分)→8:33琵琶滝→(琵琶滝から山頂まで途中休憩40分)→2号路→3号路→10:50高尾山11:10→4号路→吊橋→12:00浄心門(休憩10分)→蛇滝(休憩10分)→高尾梅の郷まちの広場(休憩30分)→13:40蛇滝口バス停13:50~JR高尾駅北口