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東京の山・神奈川の山・関東周辺の山を夫婦で「気ままに山歩き」登山・ハイキング・トレッキングの山行記録です。

小仏峠~小仏城山~高尾山琵琶滝コース小仏峠~小仏城山~高尾山琵琶滝コース


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小仏峠~小仏城山(670m)~高尾山琵琶滝コース 
平成30年(2018)12月19日(水)2名

     

高尾山一丁平より雲がかかった富士山

小仏~小仏峠~小仏城山~高尾山琵琶滝コースのGPS軌跡

JR高尾駅北口から9時12分発の小仏行バスに乗る。朝から快晴とあって平日でも登山客で混んでいる。臨時バスは出ず60~70名ほどが乗車して出発した。途中の蛇滝口や日影、大下で相当数が降りる。終点の小仏で降りたのは20名ほどか。バスが来た道は旧甲州街道で現在は行き止まり道のため車はほとんど通らない。昔はこの道から小仏峠を越えて甲斐(山梨県)へ向かったのだ。今日は風が無く冷え込んだと見えて道路脇の地面の草は白く霜がおりていた。途中で車道は大きなヘアピンカーブが2か所ある。それを越えて数百メートル歩くと両側に車が5~6台停まっている。ここからは車は通れず砂利道の林道歩きになる。林道を歩いていると大きな犬を乗せた軽トラックとすれ違った。何やら箱を積んでいたのでイノシシ猟の車かも知れない。薄暗かった林道はやがて日が差す明るい山道に変わる。そして一汗かいたところで小仏峠に到着した。

小仏峠からの展望。左下の黒いビルは八王子駅前、右上にスカイツリー

小仏峠(こぼとけとうげ)は景信山と小仏城山との鞍部にある標高548mの峠である。この地名は奈良時代に行基菩薩が寺を建て1寸8分(約5.5cm:親指大ほど)の小さな仏像を安置したのが峠の由来となっている。戦国時代には小田原北条氏が甲斐武田氏に備えて小仏峠に関所を設けたのが始まりとされ、後に小仏関は東麓に移され現在「駒木野」に「国指定史跡 小仏関跡」がある。小仏関は江戸時代に甲州道中で最も堅固と言われた関所であり箱根関、碓氷関と共に関東の三関所の一つでもあった。旧甲州街道は小仏川沿いから山道を上り小仏峠を越えていたが、現在の甲州街道 (国道 20号線) は南浅川上流の案内川に沿う大垂水峠を越えて山梨県へ至る。また小仏峠の下をJR中央本線と中央高速道路が旧甲州街道に沿って通っている。

明治天皇が小仏峠で小休止した碑

明治天皇が28歳の時、1880年(明治13年)6月17日に中央道地方(山梨・三重・京都等)を巡幸の途中この小仏峠を越えられた。当時この峠には武蔵屋という茶店があり御輿のままここで30分ほど小休止されたという。明治天皇の地方巡幸は生涯で97回あり後に六大巡幸といわれた一つに、この中央道地方巡幸(1880年6月16日~7月23日)があった。小仏峠はこの中央道地方巡幸の初めに越えられた地である。天皇の巡幸にはいろいろな政治的目的はあったが、つまるところ生身の天皇を国民に見せることで国家権力の強化を図ることにあったといえる。

小仏峠から小仏城山までは緩やかな尾根道を標高差120mほど登る。途中に展望地があり富士山や相模湖、丹沢の山々が良く見えた。小仏城山までそれほどかからず30分ほどで到着した。

小仏城山の山頂西側にある平場

小仏城山は標高670mで東京都八王子市と神奈川相模原市緑区との境にあり山頂にはNTTの電波中継塔がある。この山の東南方向15km先にも城山(津久井城山)があり、区別するためにこの山は小仏城山と呼ばれている。山名は戦国時代以前に小規模な山城があったことに由来するようだ。山頂は城館跡とされ堀跡や井戸跡の伝承も残る。城山山頂には二つの茶屋やベンチやテーブルの休憩スペースが多くある。山頂西側には1段低い平場があり城跡の一部とみられる。東側の低い位置には現在トイレが設置されており、この付近には堀跡が有ったとされるが明確ではない。

平日なので茶店は閉まっていた。沢山あるテーブルベンチには登山者がそれぞれ思い思いに座って休んでいる。今日は二人連れか3~4人の小グル―プが多いようだ。富士山は雲に隠れて見えなくなってしまった。それに丹沢方面は木が伸びすぎて展望が悪い。それなのでここでは撮影はしなかった。


小仏城山から高尾山へのメインルート。上部に一丁平が見える

小仏城山を後にして高尾山に向かう。今朝は雲一つない快晴だったのに雲が出てきて日差しがほとんどない。小仏城山から一丁平までは標高差90mほどのほとんど下りである。前方に人影が多く見え、たどり着いたところが一丁平であった。

一丁平展望台から丹沢の山並み。中央が蛭ヶ岳、右端が大室山

天気は陰っていたが展望は良かった。小仏城山では雲に隠れていた富士山が見えていた。左の大山から蛭ケ岳、そして大室山までの丹沢の山並みが一望のもとである。

一丁平は小仏城山から高尾山頂に向かうコースの中間あたりにある。富士山や丹沢が見える好展望地であり東屋やトイレなども設置されている。一丁(一町)とは約109mのことである。そういえばここ一丁平は100mほどは有りそうな緩やかで平らなピークである。この一丁平から高尾山直下のもみじ台にかけての尾根沿いに、千本桜と呼ばれる桜並木があり春には桜の名所となる。

一丁平展望台からの山座同定(クリックで拡大)

一丁平を過ぎて10分ほど歩くと高尾山へ三方向の分岐点にでた。右へ進むと富士見台を経て高尾山へ、真ん中がメインルート。左側がもみじ台を経て高尾山へ。いずれも高尾山直下の同じ地点に出る。今回はまだ歩いたことのない右側の富士見台を通るコースを選んだ。ここは幾分大周りになるコースで山道っぽい。右の谷側の木には前回見かけたキジョランのような蔓状の草が絡みついている。この蔓状の草は沢山あるのだがキジョランはなかなか出てこない。しばらく探しながら歩いているとそれらしきものが一つあった。アケビ大の実に白い綿毛が飛び出している。かなり上の方で写真には撮れない。山道は蛇行して登り富士見台地に到着した。富士山は見えるかと探したら木の間越にやっと見えるのだった。それなので展望はあまり良くない。キジョランの葉は特徴があってほとんどが巻いている。だから見つけやすい。コツをつかんだら次々にキジョランが見つかった。中の綿毛の付いた種がかなり飛んでいるのもある。時期的にはいい頃合いなのかもしれない。道端にもキジョランの綿毛が所々に落ちていた。そうこうするうちに三方向の終着点の高尾山直下に着いた。ここからは高尾山に登らず下を巻いて行く5号路から稲荷山コースへ向かう。


キジョラン(鬼女蘭)の弾けた果実。数十個以上の綿毛の種が入っている

キジョランはガガイモ科(近年ではキョウチクトウ科に分類)の木質つる性の多年草で有毒である。ラン(蘭)と付くがラン科ではない。なぜランと付くかは定かではない。 そこでランとの共通点があるかを調べて見た。葉も花も実もキジョランとランでは全く違う。ただ一つ共通点は「雄しべと雌しべが合着してずい柱を作る」のが共通点なのである。それでキジョランの花をよくよく見ると雄しべや雌しべが無いのである。その点だけランと似ているといえる。キジョランはアサギマダラの食草とされ夏から初冬にかけて葉に卵が産み付けられる。 花期は8月~10月で白い散形の花序をつける。 果実は小さいまま年を越し翌年の春から夏にかけて大きくなる。楕円形の長さ10cm以上の大きさで、つるからぶら下がる。 冬に入ると実が弾けて中から白い綿毛の種が多く飛び出す。 その綿毛の種が特徴的で「白髪を振り乱した鬼女」のように見えるのでこの名がある。すなわち種が鬼女の顔に綿毛が白髪を想像させるのだ。

おどろおどろしい白髪の鬼女のように見える鬼女蘭の種。

稲荷山コースに合流してしばらく歩く。ぬかるんでいる所が多々あり場所によっては、むしろ状の滑り止めを敷いている所もある。そして琵琶滝コース(6号路)の分岐点に出た。ここは前回キジョランの実を見た場所だ。探してみるとキジョランの蔓があり葉がある。そして幾つかの実に綿毛が飛び出していた。この場所までキジョランには充分楽しませてもらった。多分ここからは沢沿いなのでキジョランはもうないだろう。この分岐からは琵琶滝コースに入る。そして沢沿いの道なので薄暗いコースなのだ。

葉は落ちてしまったがイイギリ(飯桐)の実のようだ

イイギリ(飯桐)樹高8~21mほどでヤナギ科またはイイギリ科の落葉高木。木の姿がキリに似ていて昔は大きな葉を飯を包むのに使われたことに由来する。 葉はハート型で20cmを超える大型である。枝が横へ広がり夏には大きな木陰を作るので公園などに植えられる。 雌雄異株で4~5月ころに開花するが花弁のない黄緑色であまり目立たない。 11月頃になると雌の木にはブドウ状に直径1cmほどの赤い実が垂れ下がる。この秋から冬に熟す多数の赤い果実が美しく、落葉後も長期間枝に残り小鳥も集まる。この実がナンテンに似ていることから別名をナンテンギリ(南天桐)という。

登山道から見下ろした琵琶滝

琵琶滝コースは一部崩落している所もあり、高尾山の道にしては中々険しい。長い下りを滑らないように注意しながら歩く。そして、ようやく左下に琵琶滝が見えてきた。
琵琶滝は今から640年ほど前に薬王院中興の祖と言われる俊源大徳が修験道の場として開いたようだ。その由来は、「昔このあたりに鳴鹿とよばれる洞穴があった。白髪の老師が鹿に囲まれながら琵琶を奏でる。するとその琵琶の調べがそのまま滝になった」というものだ。また「滝の落ちる形や滝壺の形が琵琶の形に似ていたので琵琶滝と呼ばれるようになった」との言い伝えもある。


高尾山ケーブルカー清滝駅前広場にある駅名由来の清滝

山道が終わって空を見上げると青空なのだ。日が燦燦と照っている。先ほどの曇り空は何だったのか。多分山では地形の関係で雲が出来やすいのだ。だから麓に降りると晴れていることが多い。

高尾山ケーブルカー清滝駅前広場(もみじ広場)で駅を正面に見て右手に1段高く見えるのが清滝である。落差3mほどで一筋の小さな滝なので目立たないが、水源は琵琶滝から引かれている。清滝駅はこの清滝が駅名の由来なのだ。

裏山が陽を受けて輝く高尾山ケーブルカー清滝駅の表参道

高尾山ケーブルカー清滝駅前から国道20号線(甲州街道)間の表参道には二十数軒のそば屋や土産物屋が軒を連ねている。平日とあって今日は人が少なめか。裏山が陽を受けて輝いていた。高尾山商店会

小仏~小仏峠~小仏城山~高尾山琵琶滝コースの断面図

コースタイム 歩行3時間40分 休憩1時間30分 距離11.4km 累積の登り1107m 下り-1212m
JR中央線高尾駅(バス)9:12発~小仏バス停9:42→10:35小仏峠10:40→11:10小仏城山11:50→12:14一丁平→12:46富士見台→13:25稲荷山分岐→琵琶滝コース分岐→琵琶滝→14:26清滝駅前(買物)→14:52京王線高尾山口駅。


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