2020年(R2)12月06日(日)2名

秦野駅~浅間山~権現山~善波峠~吾妻山~鶴巻温泉駅のルートマップ

コロナ禍ということもあり、あまり遠出をしたくないしバスにも乗りたくない。ということで今年2回目の弘法山である。天気は朝のうちは曇りだったが時折日も差してきた。が、おおむね薄曇りの天気である。まほろば大橋の時計台にはイルミネーションの飾りが付けられていた。

秦野駅前まほろば大橋の時計台

小田急線秦野駅北口前の水無川に架かる橋が「まほろば大橋」である。この橋は老朽化に伴い平成元年(1989年)に造り替えられた。橋の長さは35mで「かながわの橋100選」に選定されている。橋の中央部分にはガス灯、石像、時計塔がある広場となっている。白い時計塔は高さが10mあり、4つの鐘(カリヨン)を備えた「からくり時計」で5か国の民族衣装を着た人形が回転しながら時を告げる。ちなみに「まほろば」とは「素晴らしい場所」「秀でた場所」「住みやすい場所」を意味し、美しい日本の国土とそこに住む人々の心をたたえた古語である。まさに秦野市を象徴したような橋の名前である。

時計台を見ながら橋を渡ると、橋の際に遊歩道への降り口がある。急な階段を降りると川べりに、人がすれ違うのに十分な遊歩道が造られている。水無川は扇状地特有の川で水流の多くは伏流水となっているので川の流れは少ない。

水無川遊歩道

川べりの遊歩道には冬に咲く花も植えられていて、歩く人の目を楽しませてくれる。1.5㎞ほど歩くと遊歩道は終わり、上の道路にあがる。「新常盤橋」の交差点を渡ってから左折する。「河原町」の交差点を直進し、川の流れを右手に見て少し歩くと「弘法山公園入口」の大きな表示板が見えてくる。水路沿いを少し歩くと浅間山への登山口が出てくる。ここから浅間山までは標高差100m弱の登りである。途中から秦野市街地に箱根連山や富士山も見えてくるが、今日は薄曇りの天気で展望はあまりよくない。

浅間山からの富士山

それでも汗ばんでくる頃に浅間山に到着すると、幽玄ともいえる富士山がうっすらと見えた。浅間山は緩やかな丘のようなところで、東屋もあるのだが傾いていて倒壊の危険があるためか立ち入り禁止となっていた。ここから緩やかに車道に下り、車道を渡ってから再び権現山への登りとなる。

権現山への最後の登り

車道から権現山へは階段の登りで標高差で60mほどである。登りきると千畳敷とも呼ばれる広い権現山(標高244m)山頂である。権現山の名前の由来は、昔この山頂に権現堂があったためと言われている。山頂には平成13年(2001年)に建てられた8角形屋根で2階建ての展望台がある。小田急線の東海大学前駅から秦野駅に向かう時、右手の山頂に立つ中国風な建物がこの展望台である。展望台からは秦野市街、房総半島や江の島などの相模湾、箱根連山、富士山、丹沢、大山などを見ることができる。特に富士山の眺望は素晴らしく「関東の富士見百景」に選ばれている。しかし今日の眺望はあまりよくなくて富士山はほとんど見えなくなってしまった。

権現山から三ノ塔(左)~大山(右)を見る

南側の箱根や富士山方面の展望はあまりよくなかったが、それでも北側の三ノ塔から大山へかけての稜線はよく見えた。権現山は広い山頂なので休憩場所も数多くある。その一つの石のベンチで昼の休憩とした。連れが作ってくれたおにぎりは矢張りコンビニのよりはるかに旨い。牛肉のしぐれ煮などをおかずに、おにぎりを二つぺろりと平らげた。今日は風もなく穏やかで日差しもある。多くのグループや家族連れ、単独の人達があちらこちらで昼食をとり休憩をしている。

弘法山のお堂とイチョウの木

弘法山にも多くの人たちがいた。弘法大師のお堂も御開帳されていた。お堂の後ろにある大きなイチョウの葉が黄色に色づいている。弘法山から善波峠に向かう途中の峠道でミカンや野菜を売っていた。小さなカボチャが1個50円、サトイモが1袋100円、大粒のミカンが5~6個入って1袋200円などなど。連れはこういうところで買物をするのが大好きなので、今日もザックにずっしりと詰め込まされた。善波峠近くを歩いていると突然、北側の山の斜面の方から、パン、パン、(2~3秒後)パンと3発の銃声が鳴り響いた。とっさに「イノシシ狩りか?」と思った。こんな人が多いハイキング道の近くでイノシシ狩りとは。「危ないな~!」。

下山口付近より、以前登ったことのある聖峰(H380m、左)を眺める

善波峠から吾妻山にかけては緩やかな起伏の尾根道の歩きである。周囲の山の景色や木々などを眺めながらのんびりとした山歩きができる。吾妻山でも多くの人たちが休んでいた。我々もここで小休止とする。鶴巻温泉下山口近くで山の斜面に煙突が二つ見える。ゴミ焼却場の煙突かな?左奥の方に見える山はどうやら聖峰のようだ。あそこも展望がいい山だった。

登山口(下山口)付近に設置された90年以上前の道標

今から90年以上前に、かっての鶴巻温泉、光鶴園(平成11年《1999年⦆廃業、現弘法の里湯)が造った道標である。小田急電鉄が開通し、昭和3年(1928年)に開業した割烹旅館の光鶴園が大山へ参拝する宿泊客の便宜を図って設置したものだろう。これを見ると移り変わる歴史の流れを感じさせられる。この道標から民家前に出て、東名高速下をくぐり突き当りを右折する。そのまま道なりに進むと弘法の里湯前を通り鶴巻温泉駅に到着する。駅前広場に少し変わった街路樹があった。紅葉したハート型の葉に三つに分かれた白い実。ナンキンハゼ(南京櫨)である。ナンキンハゼは中国原産の木でトウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木である。ハゼノキの仲間ではないが種の白い部分が蝋状物質で蝋をとる材料として使われた。このナンキンハゼが鶴巻温泉駅前広場に植えられている。紅葉したハート形の葉と白い実の対比が鮮やかである。

コースタイム 歩行2時間40分 ルート概略(距離6.9㎞ 累積の登り274m 下り-350m)
小田急線秦野駅10:22→水無川遊歩道→10:50弘法山公園入口→11:10浅間山→11:25権現山12:05→12:25弘法山12:35→善波峠→13:50吾妻山14:00→14:20弘法の里湯(買物)→14:40鶴巻温泉駅

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